AM6:15
ピピピピッピピピピッ
目覚ましを止め、いつも通り起床し
たいのはやまやまだが、
布団が僕を放してくれない。
今日は特に寒い。
あれ?そーいえば、昨日も一昨日もこんなこと言った気がしないでもない。
社会人1年目こそ、北海道で鍛えられた僕の体はこんな寒さ物ともせず、マフラーだって必要ない感じだったのだが。
もはや僕の体はこちらの気候に完全に順応してしまったらしい。
ボーっとした頭でそんなことを考えていると、
こんがり焼けたトーストの香ばしい香りと
淹れたてのコーヒーの匂いが、僕の鼻をくすぐる。
今朝の朝食当番は奥さんだ。
早く仕事から帰ってきた方が夕食の支度をして、
夕食の支度をしなかった方が朝食を用意する。
結婚する時に2人で決めたルールだ。
なんだかんだで、半年以上この生活が続いている。もう慣れたもんだ。
会社の奴らは、
そろそろ辛くなってきたかー?
とか、
ニヤニヤして聞いてくるが、
残念ながら、
絵に描いたような、順風満帆な生活を送っている。
やはり、帰って来た時と朝起きた時に
誰かいるっていうのはいいもんだ、
と改めて思う。
さて、せっかく作ってくれた朝食が冷めないうちに、そろそろ起きるとしよう。
テーブルの上にはトーストと目玉焼きとプチトマトのプレート、苺ジャムの瓶、お揃いのマグカップ、コーヒーカラフェが並んでいる。
このコーヒーカラフェは同期のかずしが結婚祝いにくれたものだ。
それまでは、朝食はもっぱらご飯派だったのだが、コーヒーに合うようにパン派になった。
貰ってからほぼ毎日、これでコーヒーを淹れている。
本当に良い奴というか、気がきくというか。
それにひきかえ、植田のゆいぴー
アイツは駄目だ。
かずしと同じタイミングでアイツにも会ったのに
プレゼントどころか
おめでとうの言葉すらない。
しかも東京のど真ん中に深夜のコンビニに行くみたいな服装で来やがる。
まったく、
こんな奴に内定出す企業なんてロクなもんじゃ…
いや、
よっぽど人手不足なのだろう。きっと、そうに違いない。
他企業の悪口なんていつ何処で誰が聞いてるかわからないからね。
さてと、
朝食も食べ終えたし、そろそろ出掛けよう。
今日が終われば明日からは待ちに待った休日だ。
少しだけ残ったコーヒーを飲み干して、僕は立ち上がる。
玄関のドアを開けると、
雲ひとつない青空が広がっている。
良い天気だなぁ、寒っ
まだもう少し、冬は続く…
※この物語は多少の事実に基づいているもののほぼフィクションです。
本文の一部または全部を無断で複写、複製することはしないでください。
2 件のコメント:
さつきさん!の振りをしたけいたさん見た!
俺だいきさんかなっておもった
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